プロの工事屋がエアコンの取り付けをDIYですることをあまりオススメできない理由

最近、DIY(Do It yourself)が話題になっており、エアコンの取付もプロの工事屋に頼まずに自分でできるのではないかと思われる方がいらっしゃいます。

私たちはエアコンの工事屋、つまりプロの立場なのですが、やはりご自身でエアコンを取り付けるDIYはあまりオススメすることはできません。

「工事屋はDIYされると、工事料金が取れないから、オススメしないんだろう」と思われるでしょうが、理由はそれだけではありません(その理由がまったくないといえば嘘になりますが・・・)。

ここではエアコンの取付をDIYですることによるデメリット面を紹介し、なぜプロのエアコン工事やがDIYをオススメできないのかを説明いたします。

DIYでエアコンを取付のはやはり難しいです

インターネットの記事などでは意外に簡単にできますよなどと書かれていることがあるエアコン取付けのDIYですが、やはり知識も技術もない方がいきなり挑戦するにはかなりハードルの高いものだといわざるをえません。その内容を紹介していきます。

エアコンは重く大きなものが多く、高所に取り付けるのは大変な作業です

エアコンはかなり重いものが多く、大きさもかなりのものになることがほとんどです。さらにエアコンの取付位置としては、高所に取り付けることが基本になりますので、そこまでエアコンを持っていくのが大変な作業です。

素人さんが1人でエアコンを取り付けるのは、作業に慣れていないこともあり、エアコンを落として壊してしまったり、人の上に落として大けがをさせてしまうというような恐れもあります。

そのため取付けに関しては、自分1人ではなく、誰かそれなりに力仕事のできる仲間と行うのがよいです。しかし、その仲間を探すのもなかなか大変だったりしますよね(作業のお礼なんかもありますし・・)。

エアコンの取付には専用の工具が必要です

必要な工具については、DIYを解説している記事などでも説明されていると思うのですが、ドライバー、ペンチ・ニッパー・レンチ、スパナなどの工具に加えて、ガス漏れ検知器、トルクレンチ、電気ドリル、エアコンダクトカッター、フレアツール、真空ポンプ、真空ゲージ、リーマー、パイプカッターなどの専門的な工具が必要になります。

当然ながら購入するとかなりの金額になってDIYで節約どころか業者に依頼するよりも高額になってしまうこともあり(エアコンを頻繁に取り付けるのであれば、購入するのもありかもしれませんが・・)、本末転倒です。

なので専門的な工具についてはレンタルがオススメされたりしていますが、それなりの金額は必要なうえに手続きがめんどくさかったりします。

エアコンの取付には技術(器用さ)が必要です

私たちプロも最初にエアコンの取付け工事をするときは、ほとんどの作業をうまくこなすことができませんでした。

意外に簡単と解説しているDIYの記事も、その著者の方がDIYで日常的に様々なものをつくったりしていて、かなり器用で工事にも慣れているということが考えられます。

なので、普段DIYなどもほとんどしない人がエアコンの取付けになんとなく挑戦しようとしてみると、想像以上に工程が難しくギブアップしてしまうということがあります(事実、DIYに挑戦しようとしてダメだった方からの依頼というのもじつはあるのです・・)。

具体的には、配管パイプの処理、配管パイプのフレア加工、冷媒装置の接続、ドレンホースの接続、室内機と室外機の配管の接続、真空ポンプでエアパージ、真空、ガス漏れの確認、冷媒ガスの解放、渡り配線の接続、各配線の点検、配管穴にパテ埋めなどが必要な作業になります。

先ほど出てきた専門的な工具を使う作業もあるため、なかなか大変です。

エアコンの取付けに必要な部材を自分で用意しなければならない

エアコンの取付けには本体だけでなく、据置台、配管パイプ、ドレンホース、化粧カバー、配管テープ、貫通スリープ、配管用パテ、渡り配線用の電線、ボードアンカー、アースなどの部材も必要になります。

新品のエアコンであれば、ついているものもあったりするのですが、DIYされる方は安く上げたいということからネットオークションなどで購入される方も多く、そのような場合にはほとんどの部材がついていないと思ったほうがよいでしょう。

これらはエアコンを購入するとついているというわけではないため、自分で用意しなければなりません。そのさいに自分が取り付けようとしているエアコンにぴったりの部材なのかどうかをみきわめるのが難しいというのがあります。

必ずぴったりの部材でないといけないということはないのですが、やはりそのあたりの部材選びなどもかなりめんどくさい作業になるということは覚えておいたほうがよいでしょう。

DIYでエアコンを取り付けても作業ミスが原因でエアコンがまともに動かなくなることも

さらにあれだけのいろいろな作業で、どこかにミスがあるとエアコンが期待通りの動きをしなくなることもあります。

もともとの性能を出せなくなったり、最悪な場合はそもそも動かなくなってしまうこともあります。これはかなりのリスクといえると思います。

故障したからエアコンの工事屋さんを読んで修理してもらうと、修理代金がやっぱりかかってしまいます。プロに取付けを依頼していた場合には、その後なんらかのトラブルがあっても工事屋に相談できるため、取り付けたあとの安心も違いますね。

まとめ

いろいろと書いたのですが、これがプロがDIYでエアコンを取り付けるのをオススメできない理由です。

また部材の購入や専門的な機材のレンタル費用などもかかることから、意外と自分で取付けをするDIYをしてもいうほどの節約にならないケースも多くあります。それであれば、しんどい思いをしてエアコンを取り付けるよりは、プロに依頼して楽して取り付けてもらうほうが作業にもミスがなく安心ではないかなと思います。

ちょっと例外的ですがDIYのスペシャリストで技術力に自信があるならエアコン取付けのDIYもあり

いままでオススメできないというのは、DIYをあまりしない人がエアコンを自分でも取り付けられるという情報をみて、いきなり挑戦することを想定していました。

しかし、普段からDIYをバリバリやられていて、工具などもかなり備えているような方の場合は、エアコン取付けをDIYでするのもありかもしれないなあと思います。そのような方はトラブルになっても楽しむことができると思いますし、普段からDIYをやっていると、やはり工事系の技術力もそれなりに備わっていると思いますので。

あと、1台に関しては、レンタル台などもかさむのであれですが、何台も取付けするケースなどはやっぱり工具を使い回せることもあり、DIYで節約できる代金はお得になると思います。

そのためバリバリにDIYをされていて自信のある方は、DIYでのエアコン取付けはありだと思いますが、一般的な人はやっぱり私たちみたいなプロのエアコン工事業者に依頼するのをオススメしますよ。

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